「スイスポ」の愛称で親しまれるスイフトスポーツ
スズキといえば「軽自動車のメーカー」のイメージが強いかもしれませんが、普通乗用車もラインナップされています。
中でも根強い人気で知られているのが「スイスポ」の略称で知られているスイフトスポーツです。
2000年の登場以降、根強い人気を獲得しているスイフトスポーツについて、これまでに登場したモデルやスイフトスポーツのライバル車についてご紹介しましょう。
スイフトスポーツはなぜ人気?
スイフトスポーツはスイフトのスポーツバージョンです。
そんなスイフトスポーツが人気を集めている理由は決して一つだけではなく、車が好きな人間が魅力的だと感じる理由が多くあるからこそです。その理由を詳しくご紹介しましょう。
スイフトスポーツが人気の理由1.”走る楽しさ”を追求した走行性
スイフトスポーツが登場したのは、2003年。この時期はバブル崩壊移行、日本経済が少々落ち込んでいた時期でした。
バブル期は「お金がかかっても良いのでステータスの高い車に乗る」「あんまり乗らないけど、高い車を持っておく」といった、現代社会では考えられない価値観で車を保持している人も多かったものです。
しかしバブル崩壊以降、コスト削減が求められる時代が到来し、自動車メーカーも例外ではなく、車に燃費や居住性などの実用性が求められる時代となりました。
その結果、多くの人にとって自動車の価値観が「運転して楽しい乗り物」から「移動のための乗り物」へと変化。
1997年に初代モデルのプリウスが販売されて以降、より低燃費の車が求められる時代となっていました。
つまり乗る楽しさは二の次で、低燃費の経済性の高い車が求められる時代となっていました。
そのような時代に対してのアンチテーゼとして登場したのがスイフトスポーツです。
スイフトスポーツがこだわったのは車の基本性能。燃費だけにこだわるのではなく、走る・曲がる・止まる…という機能にこだわったことで、走る楽しさのある車としての人気が高まりました。
さらにマニアの心をくすぐったのが、MTのみをラインナップした点です。
既にATが当然の流れとなっていた時代で、コストアップを懸念して敢えてMTのみのラインナップとしたのですが、この点も車の「移動のための乗り物化」を憂いていた車ファンに刺さりました。
結果、当時の「低燃費なら動けばOK」な風潮に一石を投じることとなり、高い人気を獲得するに至ったのです。
スイフトスポーツが人気の理由2.専用エンジンによる加速性
JWRC参戦をイメージしたスイフトスポーツは、スイフトよりもスポーティーなキャラクターです。
樹脂製インテークマニホールドを採用した1.5Lの自然吸気エンジンは、スイフトスポーツ専用。さらにアルミ鍛造ピストンへと変更されたうえに、高圧縮比化・ハイオク化を果たしました。
また、スイフトスポーツは、専用チューニングが施されたECUによって85kWを獲得しています。
他にも専用のサスペンションやリヤブレーキのディスク化など、より走りを意識して生まれたのがスイフトスポーツです。
これらのスペック、さらには重量の軽さから抜群の加速性を誇ることとなり、自動車マニアをうならせました。
スイフトスポーツが人気の理由3.外装・内装のデザイン性
スイフトスポーツのキャラクターといえば「小回りの利く、運転の楽しいスポーティー車」です。
これだけを聞くと、いわゆる「やんちゃ」な車をイメージする方も多いかもしれませんが、スイフトはコンパクトハッチとして実用性も備えています。
パワーアシストドア、サイドリフトアップシートといったファミリー層が乗車しやすい装備を用意。
走る楽しさがある車ではありますが、一方で実用性もきちんと備えているバランスの良さも人気の秘訣となっています。
「悪目立ちするやんちゃ」な外装ではなく落ち着いたハッチバック、さらには外装・内装を備えているので決して自動車マニアからだけの支持ではなく、落ち着いたイメージの車や可愛い車を求める層からも人気を集めています。
スイフトスポーツが人気の理由4.価格が控えめでコスパがいい
スイフトスポーツはコストパフォーマンスの高い一台としても知られています。
登場時の価格は税別で119万円。この価格は当時のコンパクトカーの標準グレードとほぼ同程度でした。
また、ガソリン車ではありますが燃費は16.0km/Lと、当時のガソリン車のコンパクトカーとしては決して悪い数字ではありませんでした。
「走る楽しさがある車」と聞けば、燃費の悪い「暴れ馬」的な車を想像する人も多いかもしれませんが、スイフトスポーツに関しては、走る楽しさを備えつつ低燃費も実現。
後席も用意されている4ドアのハッチバックは、コンパクトカーとしては居住性も高いので、メインの一台として長距離ドライブから近距離の送迎までこなせる、高コストパフォーマンスな一台となっている点も人気の秘密です。
2023年スイフトスポーツ新型の発売はいつ?
2023年1月現在、スイフトスポーツは4代目モデルとなっています。
2016年12月に登場してからおよそ7年が経過している点、2022年7月に受注を停止してからマイナーチェンジされた点、自動車メディアによって覆面モデルがスクープされた点から、フルモデルチェンジの噂も流れ始めています。
自動車メディアでは新型スイフトのスペック予想、ひいてはスイフトスポーツの予想も行われていますが、2023年1月現在、スズキから新型スイフトスポーツに関してのアナウンスはありません。
ただし、自動車メディアの予想は決して無視できるものではないだけに、今後新型スイフトスポーツに関する情報が流れてくる可能性は高いです。
また、噂される新型スイフトスポーツの登場の前に、これまでに登場したスイフトスポーツを振り返ってみるとしましょう。
初代スイフトスポーツ HT81S型の特徴
スイフトスポーツの初代モデルの登場は、2003年。ベース車であるスイフトの一部改良と同時に発売されました。
搭乗時は3バックのハッチバックのみではありますが、カスタマイズ・ハイオク化されたエンジンを搭載したことで65kwだったスイフトから、85KWまで出力が向上されました。
コストダウンのために、オーディオレス仕様、MT装備など武骨なモデルとなりましたがその点が自動車マニアに刺さり、人気を獲得。
2代目スイフト登場以降も生産されていましたが2005年に生産・販売終了となっています。
販売終了から20年近くが経過していることもあり、中古車市場でその姿を見かけるケースは稀です。
どうしても入手したい場合、中古車情報を頻繁にチェックするだけではなく、個人売買市場もチェックしてみるとよいでしょう。
2代目スイフトスポーツZC31S型の特徴
スイフトスポーツの2代目モデルの登場は2005年。2代目モデルからはATもラインアップに追加された点、5ドアハッチバックとなったことで、購入層の裾野が広がりました。
初代モデル同様、ベース車であるスイフトに専用のチューニングを施したエンジンを搭載し、ブッシュの剛性向上、リヤブレーキのディスク化、さらには専用エアロパーツも装備しています。
2007年に一部改良が行われたのですが、マイナーチェンジは行われないまま2011年のフルモデルチェンジを迎えることになりました。
中古車市場では初代モデル同様、ほぼ在庫がありません。
決してプレミアがついているモデルではありませんが、販売終了から10年以上が経過していることから、今後も在庫が増えるとは予想しにくいです。
そのため、2代目スイフトスポーツを中古でと考えている場合、中古車販売店の情報をこまめにチェックするだけではなく、個人売買市場もチェックしておくとよいでしょう。
3代目スイフトスポーツZC32S型の特徴
スイフトスポーツ3代目モデルの登場は2011年。エンジンは先代モデルと同じタイプを採用しましたが、可変吸気システムの採用や吸気VVT制御最適化、バルブリフト量の増加や冷却システムの改良等が行われています。
排出ガス規制に対応しつつ、100Kwの出力を実現し、特に可変吸気システムは低中速域でのトルクアップが可能に。これにより、街中での低燃費を実現しました。
こちらもマイナーチェンジが行われることなく、4代目モデルにフルモデルチェンジされました。
初代モデル・2代目モデルと異なり、3代目モデルは中古車市場に多くの在庫があります。
数十万円を切る安いものから、ドレスアップ・カスタマイズされていたり、走行距離が短いことで200万円をこえる価格で販売されているモデルまで多々揃っている模様。
選択肢が豊富に用意されていますので、走行距離や年式、予算等にこだわって納得できる一台を探すことができます。
4代目スイフトスポーツZC33S型の特徴
2017年9月に登場した4代目モデル。
1.6L自然吸気エンジンから1.4Lの直列4気筒直噴ターボにダウンサイジングしたものの、独自のチューニングを行ったことで3代目モデルよりも最高出力・最大トルク共に向上しています。
また、車重が1tを切ったことで自動車税・重量税が軽減できる面も人気を集めました。
一方で、デュアルセンサーブレーキサポートやセーフティパッケージなど、安全装置にも力が入れられています。
まだまだ現行モデルとあって中古車市場には多くの在庫を抱えており、数だけであれば3代目モデルよりも多い反面、状態の良いものが多い点から100万円を切るモデルは珍しいです。
中古車価格高騰のあおりを受け、走行距離の長いものは事故歴ありなどの車であっても100万円を切るものは少ないことから、格安のスイフトスポーツを求める場合には3代目モデルの方が良いでしょう。
スイフトスポーツの燃費は?
スイフトスポーツの燃費は以下のようになっています。
初代モデル:14.6km/L
2代目モデル:13.6km/L~14.6km/L
3代目モデル:14.8km/L~15.6km/L
4代目モデル:16.6km/L~17.6km/L
30km/Lはおろか40km/Lに迫るハイブリッドカーと比較すると燃費が悪いと感じてしまうかもしれませんが、当時のガソリンカーと比較すると決して悪い燃費ではない点、車体価格の安さを含めたトータルコストパフォーマンスを考えると、決して悪くはありません。
スイフトスポーツの中古車オークション相場
スイフトスポーツは初代モデル、2代目モデルは中古車市場ではほぼ在庫が見当たりませんでした。
しかし3代目、4代目モデルは多くの在庫が確認できますので、それぞれの価格相場をご紹介します。
3代目モデル:70万円前後
4代目モデル:180万円前後
上記はほぼ中央値となっています。
そのため、相場以上で販売されている中古車もあれば、相場より安く販売されている中古車もあります。
スイフトスポーツとよく比較される中古車
スイフトスポーツの直接的なライバルは選定が難しいです。
5ナンバーのコンパクトホットハッチとなるとヤリスになりますが、ヤリスはハイブリッドカーであり、かつ走行性よりも燃費を重視したモデルなので比較は困難です。
コンパクトカーのレーシンググレードや、シビックRのような走りを追求したモデルが競合になるケースもあるでしょう。
スイフトスポーツは何を求めるかによって競合が変わる稀有なモデルなので、スイフトスポーツに何を求めるのかによって、求める個性を強みとしているコンパクトカーと競合させることになります。
スイフトスポーツの中古車を個人売買するときの注意点
スイフトスポーツは幅広いニーズに答えられる車のため、どんな風に乗ったかどうかで状態が大きく異なります。
走行距離が長いものやカスタマイズされている走りを楽しんだ中古車や、走行距離が短く劣化が目立たないファミリー層が乗っていたであろう中古車もあります。
そのため、走行距離や年式といった数字で現せるスペックだけではなく、売り手がどのようなカーライフを送っていたのかを確認しておくとよいでしょう。
走行距離が長い中古のスイフトスポーツは劣化している部分もありますので、場合によっては個人売買購入後、すぐにメンテナンスの出費を強いられる可能性があります。
スイフトスポーツの中古車を個人売買した人の口コミ
スイフトスポーツを個人売買で購入できました。
状態もよく、比較的スムーズに取引を進めることができた点は満足していますけど、ただ最後の最後で必要な書類に不備があったので名義変更のために陸運局に2度足を運ぶ羽目になったのが面倒でした。
書類一式として渡されたのですが、しっかりと中身を確認しておけばよかったです」
実物を見ると聞いていた状態とはちょっと違うなと思う点もありましたが、どうしても欲しかったスイフトスポーツなので仕方ないかなと妥協しました。ここら辺はもう少し事前に確認しておけばよかったので自己責任なので仕方ないんですけどね」
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