遊び心あふれるスズキの軽自動車「ハスラー」
かつてスズキは、セダンとSUVを融合させた「kei」を販売しており、軽自動車ではありますが比較的スポーティーなシルエットが特徴のモデルはハイト系全盛期の中でも個性を発揮していました。
しかしkeiは2009年に販売終了。ワゴンRやダイハツ・タントに遠く及ばない販売台数が理由ですが、その個性的なモデルの販売終了を惜しむ声は大きく、当時のスズキの会長の耳にも届いたとのこと。
そこでスズキが軽クロスオーバーの開発に再度乗り出し、誕生したのが「ハスラー」です。
keiのコンセプトを引き継いでいるとアナウンスされてはいますが、軽自動車のスタンダードとなっていたトールワゴンのクロスオーバーは、スズキにとっては未知の領域でした。
当時世界的に流行の兆しを見せていたクロスオーバーではありますが、ハスラーは武骨なイメージではなく、カラーリングや丸みを帯びたヘッドライトなどポップなキャラクターを押し出しました。
販売戦略もアニメのキャラクターを採用するなど遊び心を演出した結果、Yahoo!検索対象2014のクルマ部門を受賞するなど、これまで自動車に興味のなかった層へのアピールに成功。
自動車業界からもRJC、日本自動車殿堂それぞれにおいてカー・オブザ・イヤーを獲得するなど高い評価を獲得。
さらに、ハスラーの販売が好調だったことからスズキが8年振りに軽自動車年間販売台数1位を記録したほど。
その後も軽自動車を代表する一台として、高い人気を維持しています。
ハスラーが人気を集める理由
ハスラーの販売戦略は、各方面から高い評価を受けました。
しかし、プロモーションが優れていても実際の商品の魅力が希薄では人気を集めることはできません。
ハスラーが人気を集めた理由は、販売戦略以上に車としての完成度が高かったからこそ。
特に挙げられているのが下記の点です。
- 豊富なカラーバリエーション
- 車体価格が安い
- マイルドハイブリッド採用
- 室内が広く荷物も積める
これらの特徴ついて、それぞれ詳しくご紹介しましょう。
ハスラーが人気を集める理由1.豊富なカラーバリエーション
ハスラーのカラーリングは5色ではありますが、ツートーンを含めると11パターンが用意されています。
ツートンカラーもまた、ハスラーのポップさを引き立たせるポイントとなりました。
ハスラー搭乗時、ツートンカラーはさほどめずらしいものではありませんでしたが、ハスラーのツートンカラーは武骨さよりもポップな印象のものが多くキャラクターとマッチしていました。
従来、車のカラーリングといえば白系、黒系、シルバーが定番ですが、ハスラーはシルバーこそありますが、ベーシックな白系や黒系はありません。
ピンクやオレンジ、ライトブルー等、他の車では採用されないカラーリングをあえて採用することで、ハスラーのポップなキャラクターを際立たせると共に、それまで車に興味のなかった層から「可愛らしい」「個性的」と注目を集めるに至りました。
ハスラーが人気を集める理由2.車体価格が安い
ハスラーが登場した2014年、最も安いグレードの販売価格は104万円でした。
普通乗用車より安価であることは言うまでもありませんが、軽自動車の中でも安い部類でした。
これまでにない独特のキャラクターが与えられていたとはいえ、決して高額な車ではなく、従来の軽自動車の価格帯に収めたスズキの企業努力がうかがえます。
最新モデルのハスラーでも最廉価グレードは136万円と、既にコンパクトカーでさえ新車価格が200万円以上が当たり前となっている点を踏まえると、それでも十分に「安い」と考えてよいでしょう。
さすがに登場時と比較すると高くなってはいるものの、ハスラーは自動車業界全体を見渡すと安価に設定されています。
ハスラーが人気を集める理由3.マイルドハイブリッドを採用
ハスラーはポップなキャラクターがアイコンとなっていますが、車のスペックも決して悪くはありません。
例えば燃費。スズキの独自技術・マイルドハイブリッドが搭載されていることから、登場時の最も低燃費グレードは29.2km/Lでした。
最新モデルでは25.0km/Lですが、これは燃費が悪くなったからではなく、燃費の規定が変更されたものによるものです。
登場時はJC08モードで29.2km/Lでしたが、最新モデルはWTLCモードと呼ばれる、より実際の運転に近い燃費基準となっています。
ハスラーは決して「低燃費」「経済性」を前面に押し出した販売戦略は取っていませんが、これらの数値は十分「低燃費」で、経済性の高さを意味しています。
このように、ハスラーはポップなキャラクターを持ちつつ、低燃費で経済性の高い一台となっている点も人気を後押ししています。
ハスラーが人気を集める理由4.室内が広く荷物も積める
ハスラーは、ハイトールのクロスオーバーです。
元々ハイトールは積載性・居住性の高さが特徴で、一般的なコンパクトカーよりも積載性に優れているものが珍しくありません。
ハスラーも同様で、軽自動車規格ではありますが居住性・積載性に優れている一台です。
シートアレンジも多彩で、フルフラットにすることで車中泊やアウトドアを楽しむこともできれば、前列だけを倒してソファー的に使用することもできるなど、利用シーンに合わせた活用が可能。
ハスラーは決して特定の層だけが便利だと感じる車ではなく、日常的な買い物や送迎からアウトドアまで、幅広いシチュエーションで使用できる一台となっている点も人気の理由です。
初代2014年式ハスラーの特徴と中古車相場
軽トールワゴンとSUVのクロスオーバーとして、2014年に登場したハスラー。
5代目ワゴンRと共通のプラットフォームが採用されていますが、Aピラーを立てることで室内空間を確保しています。
軽自動車としてはめずらしい15インチのホイールを採用しているのは、アウトドアシーンでの利用を想定しているからこそです。
植物由来の塗料を樹脂に直接配合することで、質感の高さを発揮している点もポイント。ハスラーといえばツートンカラーが有名ですが、モノトーンも5色をラインナップ。ツートンカラーと併せて11パターンが用意されています。
2015年の一部改良では、マイルドハイブリッドと呼ばれる「S-エネチャージ」が搭載されるとさらなる低燃費化を実現。
一方ではステレオカメラ式の衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能等の安全装置が標準装備されているなど、安全性の高さも特徴です。
初代2014年式ハスラーはすでに初登場から長い月日が経過していることもあり、中古車市場には多くの在庫がありますが、価格相場は高めです。
100万円以下のものもありますが、走行距離が長めの中古車が多く、特に50万円を切るような中古車に関しては走行距離が10万kmを大幅に超えたものや事故車が多いです。
長い月日を経てもなお、高い中古車相場を維持している点は、ハスラー人気の高さを象徴しています。
2代目2019年式ハスラーの特徴と中古車相場
2代目ハスラーの登場は2019年。
キープコンセプトではありますが、絞り込みを減らしたことでスクエア感が強まりました。
スズキ初となる9インチのHDディスプレイをオプションとして設定することで、GPSだけではなく、他2種類を併せた3つの測位に対応することでより正確な位置を把握できるように。
Apple CarPlay・Android Auto、SmartDeviceLinkに対応していることでスマートフォンとの連携、全方位モニター、さらにはメーターも4.2インチディスプレイを搭載するなど、利便性も向上しました。
中古車市場での在庫は、台数に関しては初代モデルが多いですが相場は2代目モデルが高いです。
安いものでもようやく100万を切る程度ですが、走行距離が10万kmを越えているものや事故車が多いです。
ハスラーの人気グレード1.660 Jターボ 4WD
ハスラーの人気グレード「660 Jターボ 4WD」は、その名の通りのターボモデルです。
ハスラーはポップなキャラクターが受けていますが、足回りやシートアレンジから、アウトドアシーンでの利用も楽しめる一台。
用途の幅広さも人気を支える要因となっていますが、一方では軽自動車規格なので高速走行性には不安が残ります。
やはり「走り」の面では軽自動車規格である660ccの排気量では心許ないシチュエーションが出てくるのも事実ですが、ターボモデルであればその弱点を補うことが可能です。
送迎や買い物程度であれば問題ないものの、高速道路での走行が多い場合にはターボエンジン搭載モデルの方が安心感があります。
さらには660 Jターボ 4WDは、積雪地帯や坂道の多いエリアでも登っていくパワフルな駆動方式で、ポップなキャラクターを持つハスラーのイメージに遠いスペックではありますが、実用性を求める層から人気を集めています。
ハスラーの人気グレード2. 660 ワンダラー 4WD CVT
「660 ワンダラー 4WD CVT」は、初代ハスラーの特別仕様車です。
スペックそのものはさほど変わらないのですが、人気の理由となっているのがカラーリングです。ウッディブラウンのツートンカラーはこちらの特別仕様車のみのモデルとなっています。
ウッディブラウンのツートンカラーは自動車のカラーリングとしては少ない部類であり、他に類を見ない重厚感・上質感のある印象です。
ハスラーのポップなキャラクターの上に重厚感・上質感が加わっている「唯一無二」な一台となっていることから人気を集めています。
中古車市場でも、ハスラーそのものは多々在庫がありますがワンダラーは全国でも数十台ほどしか在庫がありません。数万km程度の走行距離のものは新車と遜色ない価格で販売されている人気モデルとなっています。
ハスラーの人気グレード3.660 ハイブリッド Xターボ 4WD CVT
2代目モデルの標準グレードとなる、ハイブリッド Xのターボ・4WDモデル。
先程もお伝えしましたが、ハスラーは使い勝手・経済性の高さとポップなキャラクターが人気の理由だとお伝えしました。
一方で軽自動車である以上、どうしても普通乗用車に走りの面で見劣りしてしまうのも事実。近場への買い物や送迎程度、あるいはセカンドカーであれば全く問題ありませんが、高速道路に乗る機会の多い方やメインカーとして活用するとなれば、やはり心許ない部分もあります。
また、坂道の多い環境や積雪地帯の場合、4WDは必須の装備です。そのため、660 ハイブリッド Xターボ 4WD CVTは地域によって高い需要を誇る一台となっています。
ハスラーの人気グレード4.660 JスタイルII ターボ 4WD CVT
2014年12月25日、RJCカーオブザイヤー受賞記念特別仕様車として発売されたのがJ スタイル。
その翌年、2015年の12月7日に登場したのがJ スタイルのIIです。
フロントグリルがメッキに、バンパーガーニッシュ、ホイールが専用のデザインとなっています。
アクティブイエロー、フェニックスレッドパールのブラックツートンリーフとクールカーキパールメタリック、ブルーイッシュブラックパール3のモノトーン2色が追加されたことで、前年に販売されたJ スタイルで採用されていた専用ホワイトツートンルーフ3色と併せて7パターンのカラーバリエーションがラインナップされました。
比較的注目度の高い特別仕様車とあって、中古車市場にはそれなりに在庫があります。ただし相場は高く、100万円以下のものは見当たりません。
ハスラーの人気カラー
ハスラーの人気カラーはピンクやイエロー、ライトブルーといった他のモデルでは需要がないもので、かつツートンカラーです。
ツートンカラーがハスラーの持つポップなキャラクターを引き立たせているので、中古車市場を見てもツートンカラーが多いです。
裏を返せば、モノトーンは人気が低いので安いハスラーを探している方にはおすすめです。
ハスラーは中古カスタム車が狙い目
ハスラーをカスタムして楽しんでいるユーザーもいますが、カスタム車は中古車市場では人気が低いです。
カスタムされている車は悪目立ちしたり、所有者の好みが顕著なことから敬遠されがちですが、気に入ったデザインがあれば狙い目だと考えることもできます。
お伝えしたように、ハスラーは中古車相場が高く、多少走行距離が長めのものでも高い値段で出品されています。
だからこそ、安いハスラーを求めるのであればあえて人気の低いカスタム車を狙ってみるのも手です。
ハスラーを個人売買した人の口コミ
個人売買で激安のハスラーを見つけたので飛びついちゃいました。
ただ、聞いていた状態と微妙に違うし、結局当初は聞いていなかった陸送費用をこちらが負担することになったのが腑に落ちなかったです。
地元掲示板を探していたら近場でハスラーが出品されていたので落札しました。
現物も見たので車そのものは問題なかったんですけど、名義変更の書類をなかなか用意してもらえなくて、結局取引終了までかなり時間がかかりました。
近場じゃなかったらもっと時間がかかっていたんじゃないですかね…。
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